2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

アクセントとは?(2) 複合語編

今回は、自然言語の複合語の分類とかアクセント規則を検討しながら、人工言語の複合語形成にどのようなアクセント規則を作りうるのかということを考えていこうと思います。と思ったのですかアクセントそっちのけで複合語を語る回になってしまいました。すみ…

語学学習:(2)リグ・ヴェーダ8.91.2

今回は語学学習の記事ということで、またリグヴェーダの続きを読んだメモを置いておこうと思います。例によって全く言語学入門とはいえませんが…。 asáu yá éṣi vīrakó gr̥háṁ-gr̥haṁ vicā́kaśad / imáṁ jámbhasutam piba dhānā́vantaṁ karambhíṇam apūpávan…

アクセントとは?(1)入門編

今回は、意外と奥が深いアクセントについて考えてみましょう。 まず、アクセントの定義から入ってみましょう。と言ってもかなりいい加減でふわっとしている定義で、「語の中のある音節が卓立(Prominence)を持つこと」です。つまり、ピッチ(いわゆる高低ア…

比較言語学とは?(3)応用編2

今回は、前回書きそびれてしまった、(2)既にある程度運用されている方、のための人工言語の通時的な奥行きの出し方を考えていきたいと思います。 既にある程度運用している人工言語からそれよりも古い時代の言語の設定を派生させる場合は、少し比較言語学(…

比較言語学とは?(2)応用編1

今回は人工言語に歴史的な変化をつけて奥行きを広げる時のテクニック的なものをお話しします。もちろん設定を自由に膨らませるのが創作の王道だと思いますが、ここではいかに「それっぽい」言語の変化とか祖語の設定を作るかというポイントを考えようと思い…

語学学習:(1)リグ・ヴェーダ8.91.1

今日は試験的に、自分が勉強で読んだ箇所のメモを投稿してみます。今回はリグ・ヴェーダの第8巻第91篇の1番を載せます。全然入門的な話ではありませんが、自分の備忘録を兼ねて。印欧語学マシマシ。 kaniyā̀ vā́r avāyatī́ sómam ápi srutā́vidat / ástam bh…

比較言語学とは?(1)入門編

前回は国際音声記号を解説しようと申し上げたのですが、モチベーションの関係で先に比較言語学の基礎を少し書こうと思います。 比較言語学(Comparative linguistics)とは、言語の通時的な変化を扱う言語学の分野です。歴史言語学(Historical linguistics…

音素(Phoneme)とは?(2)応用編

今回は、前回の続きをやりつつ、音素の概念をどう人工言語創作に応用するか?と言う話をします。 前回は音素という概念を導入しましたね。どの言語にも音声があるなら音素はあるわけですが、ある言語における音素の一覧を、音素目録(Inventory)と言います…

音素(Phoneme)とは?(1)入門編

最初に音素(Phoneme)についての導入をしておこうと思います。 音素というのは厳密な定義が難しい概念ですが、ここでは「言語の音のうち、意味の区別に使うことができる最小の単位」とでも定義しておきます。厳密な議論は専門家がやればいいということにし…

ブログ始めました

@Zilf13です。 このブログでは、個人的な備忘録も兼ねて、比較言語学と音韻論の話をする予定です。 この@Zilf13というのは私の人工言語用のアカウントなのですが、意外と人工言語界隈でも自然言語に興味を持たれる方が多いため、私が知っている、あるいはこ…